
レース編みがルーツの「ブリューゲル編み」
ブリューゲル編みというのは、ドイツで生まれたといわれる「ブリューゲルレース」特有の編み方です。
ドイツが発祥ではあるのですが、「ブリューゲル」という名前の由来はレースの名所であるベルギー・ブルージュにあると言われます。
ボビンを使うブルージュのレースにヒントを得て、かぎ針編みでこれを作ったのが「ブリューゲルレース」ではないかというわけです。
ブレードを使った仕上げ方がかなり特徴的
ブリューゲル編みの特徴は、モチーフや網の目ではなく、長編みと鎖編みでできた細長い「ブレード」を最初に編むことにあります。
編みあがったブレードはらせんやS字などの曲線的なデザインでレイアウトされます。
このブレードとブレードの間をモチーフなどで編みつないでいくことで、大きな作品になっていくのです。
写真の通り、単に編みつなぐだけでなく、ブレードの内側にも外側にもさまざまな装飾が施されていきます。ブレードのレイアウトによっても、さまざまな表現ができるところがとてもユニークです。
ブリューゲル編みは毛糸で編んでも素敵!
伝統的なレースの編み方だけに、やはりレース作品のイメージが強いブリューゲル編み。
ですが、実は定番の白いレース糸だけでなく、カラーのレース糸や細めの毛糸で編んでも面白い作品ができるんです。
「すてきにハンドメイド」にも毛糸のマフラーが
先日発売されたNHKテキスト「すてきにハンドメイド」でも、広瀬光治先生が毛糸で編む「ブリューゲル編みのマフラー」が紹介されています。
岩手県での番組公開収録にあたり、ブリューゲル編みの模様を編みつなぐ様子から「みんなで手に手を取って進んでいければ……」と、復興への想いを込めて考案されたものだそう。
基本作品はブレードをジグザグS字に編みつないでいくマフラー本体と、両端に三角のモチーフの組み合わせ。ぐるぐる巻くより、首から垂らして模様を楽しみたいデザインです。
レース編みは込み入った手順が多いイメージですが、この作品は先生も「普段編み物をしない人でも大丈夫」と太鼓判を押しています!
毛糸のマフラーではありますが、透かし模様メインのデザインだけに、今編んでおけば春まで使えることうけあいです!