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作家さんの「七つ道具」見せてください!〜ぬいぐるみ造形作家 ミヤタケイコさん編〜

制作の要、縫製で使う針とミシンはどんなもの?

次は針の登場です。
これはひと目でぬいぐるみ作りに使いそうだとわかるものですね。

針
向かって左が刺繍針。右がぬいぐるみ針という長い針です。

「刺繍針は刺繍にももちろん使うけど、普通に縫う時もこれですね。太いカタン糸を使うから針穴が大きい方がスッと通る。糸を通すのに手こずるあの無駄な時間がなくなるので!」

これ!ほんとにそうですよね。小さい針穴に糸が通らないなら穴を大きくしちゃえばいい。
実にシンプルな解決法です。
ただ、ぬいぐるみに使う布は毛があって針を刺した痕が見えにくいから大丈夫なんですが、繊細な布だと穴が開いてしまうので太い針は避けたほうがいいです。
真似してみようという方は布の種類や使う場所を確認して試してからにしてみてくださいね。

では右の長いぬいぐるみ針は何に使うの?という質問が出ました。
「布と布とが離れている状態の綿詰め口を縫い閉じるのに使ったり、あとは糸引きですね。」

こう。ギューーッと。と、目つぶしされる無抵抗なワオさん。

ぬいぐるみの顔などの微妙な凹凸を作る時に、目立ちにくい場所から針を入れて目周りなどの凹ませたい場所に通しギューっと糸を引いて表情をつける仕上げ方があります。これが糸引き。

厚みがある場所を通すので長い針が必要なんですね。
ぬいぐるみ針は専用のものが売っていてサイズもいろいろあり、この写真より長いものもあります。
手芸屋さんにある縫い針の中では一番長い種類のものではないでしょうか。

仕上げはこういった針を使っての手縫いですが、メインの縫製は主にミシンを使います。
愛用のミシンの写真も見せていただきました。

ノートPCみたいにステッカーが貼ってあって使い込んでてかっこいい!

機種名はブラザーの「ヌーベルクチュールⅡ」…ですね。
職業用ミシン。丈夫でパワフル、高速で縫えるプロ用のミシンです。

「ミシンはフリーになった時、最初のギャラで買いました。このミシンは社員時代も同じ機種を使っていました。20年は使っているけどほとんど故障しない!良いマシーンです!」

壊れないのは重要です!
私もミシンの購入を検討している人からどんなのがいいか聞かれることがあるのですが、使っているミシンを買い換えることがないので他の機種を知らないんですよね。
シンプルな機能で丈夫なのが一番ですと答えています。
そしてぬいぐるみに使うボアはかなり厚手になる場合が多いのでパワーもとても重要になります。
いいものは確かに値段が高いですが、20年も30年も壊れないからパソコンより遥かにコスパいいんですよ。

手の形を変化させるかのように持ち替える、切るものはさむものおさえるもの

ハサミは何を使ってます?と聞いて見せていただいたのはこの2種類。

向かって左のものは細かいものを切る用の小さいハサミ(メーカー不明)。
右のものはクロバー製の布切はさみ。右がメインのハサミですね。

「ちょっと前は鉄製のものを使っていたんですが重くてたくさん切ると疲れてくるので、これが軽くて使いやすくて。」とのこと。

持たせていただいたら見た目の大きさに対して驚くほど軽い!
持ち手が樹脂製で軽いのはもちろん、刃先も特殊な金属でとても軽い。
ちょっと持ってみて?と唐突に人に渡すと、覚悟した重さが手にかからず全員が「おおお?!」と手をふわふわさせて驚き、次々隣の人に渡して反応を楽しむという状態に。
ドッキリができますねこれは。

「とにかく切る量が多いので手の負担を軽くしたい。」
この気持ちは痛いほどよくわかります。
型数が多いものをいくつも作ると切るのが一日何百枚にもなることがありますからね…。
負担軽減大事です。

こっちはハサミじゃないんですか?と紹介のなかったハサミ状のものを指すと、
「これは鉗子です」との答え。

ハサミではなく、鉗子(かんし)

また意外なものが出てきました。何に使うんですか?
「細かいところの綿を詰めるのに使ったりとか、細い筒状になった布をひっくり返したりするときですね。これはよく使います。」
なるほどなるほど。私はその作業ではピンセットを使います。
鉗子は手を離しても掴まえといてくれるから便利ですね。

電子工作をするよしださんにも鉗子はおなじみのアイテムなようです。細かいものを掴んだまま置いて作業できるんですよねと共感。

「あとよく使うのは目打ちですね。布をミシンで送る時に布がずれないように押さえたり、細かいところの接着では先端にボンドをつけたり。いろんなことに使います。」

単体での写真を撮っていなかったのですが、黒い大きいハサミの下あたりにある、木の持ち手のものが目打ちです。

目打ちって通常穴を開けるのに使うものですが、こんなにも色々な用途に使えるんですね。
こういう道具は長年使い込むうちに自然と手に馴染んできて、自分の指先のように自由に動かせるようになるものですよね。素敵です。

切るものはさむものは他にも色々な道具を使い分けているとのことで、あとで写真を送っていただきました。

手芸で使うとは思えない厳つい道具たち!

ぬいぐるみの芯にするワイヤーやジョイント、樹脂パーツなどを切ったり曲げたりするのに使うためのものです。
布以外にも色々な素材の材料を組み合わせて作品を作るので、道具の種類もさまざまです。

型紙作りから布に写すのまで使える優秀文具はコレ!

型紙から作るので、切る、縫う、以外に書く道具も大切です。
見せていただいたのは黒、白、クリーム、赤色の水性ゲルインクボールペン。

三菱のシグノあたりが手に入りやすいでしょうか。

これは私も使っています!
しっかりたっぷりインクがつくので軽い力で布に乗せられて、型紙を布に写す作業に使えますよね。
何色かありますね。

「白のペンは黒など濃色の布に書くために使います」
元々濃色の紙に書けるようインクがたっぷり出る仕様なので布も濃色オーケー。
銀色も見やすいですよ。黒布に書くのにお困りの方にはオススメです。

型紙を写した線は縫い代の外側にくるので(経験により縫い代からの目見当でも等幅に縫えるので縫製ラインには書かない)切り落としてしまう部分となり、後から消えなくてもいいから専用のチャコペンなどは使わないんですね。
これもたくさん使うものなので、手に入りやすさと価格の安さも愛用の決め手だそうです。

勝手に芯が出てきて便利な鉛筆ホルダー

「淡色布には黒のゲルインクペン。他にこれもすごくいいですよ、柔らかい芯だから布にもかけます。ユニの鉛筆ホルダー、芯は2Bを使ってます。勝手に芯が出てきて便利。」

へーへー!布にも書けるんだ!続々入ってくる新しい知識。今日は相づちが全てへーです。
デザインスケッチから型紙作り、布に写すのまでこれ一本でできちゃいますね。
赤ペンは型紙の修正線を書くときに使うそうです。

この記事を書いた人

せこなお
キャラクター商品のぬいぐるみ原型を多数手がけるぬいぐるみデザイナー及びパタンナー。 ぬいぐるみ原型では、三井住友銀行公式キャラクター「ミドすけ」ぬいぐるみ、「こぐまのケーキ屋さん」ぬいぐるみ、映画「海猿」グッズ用キャラクターデザイン、など。 オリジナルの雑貨企画制作でも布モノが得意。 http://sekonao.com
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